『マリアの涙』

ピーターシャビエルという外国人が著者とされてますがどうでしょう?おそらく作者は日本人なのではないでしょうか。いずれの作品もカトリックの教義とはだいぶ異なる解釈でキリスト教を捉えています。

小説としてはとても面白く、読み易く、カトリック以外のクリスチャンであれば、そこで展開されるマリア論も許容できるものなのでしょう。

小説の前半、主人公である道生の回心のくだりや、文体などは三浦綾子の小説を想わせますしね。ドグマや教義の観点からみなければ、読者をキリスト教に親しいものに導いてくれる作品と思います。

ただ、けがれなき聖母の騎士会員などマリア崇敬の心を持つカトリック信者には、罪人であるマリア、悔い改めたマリアという考えはやはり受け入れがたいものと思われます。小説として魅力的であるだけカトリック信者の方は、気をつけて読みましょうね。

正統教義に拘らず、マリア様の悲しみ、優しさを感じとるのに良い作品は?という意味でなら良作としてお勧めできる小説です。